進路の実現に向けて
IT化、グローバル化、規制緩和などで仕事そのものが大きく変化しています。このような社会を主体的自立的に生きていく力を養うことが大切です。また、単に高校卒業時の進学、就職などの決定が高校の進路指導ではありません。進学し、職業に就いた後の継続的なキャリア形成を考えることが必要です。つまり、高校を卒業した後に本当のキャリア形成のスタートがあります。本校ではそのスタートのための準備を3年間のプロセスで支援していきます。自己実現に向けて進路研究を踏まえて、自分のことを分析したり、自分を取り巻く社会のことを考えたりしながら、将来に向けてどんな生き方をするのかを高校生として探っていきます。意義のある生き方、キャリア形成を考える過程で、必要な道を発見してください。
職業観の育成から進路意識の育成
1 真の実力が求められる時代に
就職が難しい時代である。社会が大きく変化している状況では「他人と同じことをする」生き方よりも、積極的に自己の力を活かし、前向きに発展的に行動することが大切である。つまり、次のような資質を身につければどんな場面でも活躍できるだろう。
●成し遂げようとする強い意志
●決してあきらめない精神
●柔軟に創意工夫する発想力や創造力
●前向きで積極的な思考など
これらを身に付けつつ、自分の興味・関心、適性を知り(自分を知る:1年次)、自分を取り巻く社会を知り(社会を知る:2年次)、将来に向けて(3年次)準備を進めていくのが高校段階の学習である。
2 職業理解と自己理解・・・幅を広くして、将来就きたい職業を考えていこう
1年次には総合的な探究の時間に、「個性理解」「自分発見」「職業研究」「文理選択」「学問研究」の学習を進めていく。このときに注意したいのは「私の適性はこうだ。だから私に合っている職業はこれだ。」と幅を狭めないことだ。能力は発達する。やりたい職業が出てきたら、それに合わせた能力・スキルを習得することは十分可能であり、もっとも大切なことだからだ。自分の知らない職業も研究して幅広く捉えることが重要である。これからの時代には1度や2度の転職や再就職がありえるだろう。そのときに柱となるものを持っていたい。たとえば、プログラマー、次にアパレル、その次はドライバーというのではそれぞれに関連がなく、自己をステップアップさせることは難しい。自分を徐々に高め、目標に近づいていくために持てる柱を1本作ろう。
つまり、どんな職業に就くかを考えるときは、どんな生き方をするかということも考えていく必要がある。そんな生き方の柱を作っていこう。
3 進学して学びたいことを考えてみよう・・・志望校決定までの準備
生き方の柱を作っていくときに、社会に出るまでに必要な能力を身に付けるための時間が学校である。何をどこでどう学び、自己を高めていくかを考えていかなければならない。進学にあたっては、自分がどんなことを学んだり研究したりしてみたいのか、高校生活を通して把握しておくことが大切である。広い視野でいろいろな学問について調べ、自分が興味を持って取り組んでいけるものを探していこう。
4 進学先への理解を深めよう・・・志望校決定
将来の生き方の柱ができてきたら、具体的な進学先を考えていこう。大学に進学したい人を例にとってみると、全国に700あまりある大学の中から自分の目標に最も合ったところを見つけていくことになる。では、どうやって自分に合った進学先を見つけたらよいのだろう。仮に経済学を学びたいとすると、経済学を専攻できる学部・学科を設置する大学は全国にたくさんある。しかし、行なわれている教育活動は同じではない。また、理系の学問を専攻する場合、研究のための施設・設備の充実度によっても学ぶ内容は変わる。どこでどのようなことが学べるのかをしっかり調査・研究し、志望校を決めることが大切だ。志望校が決まったら、今度はそこで課される入試の中身を把握し、合格のための対策を立ててみよう。そうすることで、今何をするべきかが少しずつ見えてくるだろう。