校長室より

令和6年度 第3学期始業式 校長講話

 

 

 

 

 

 

 

 

■新年あけましておめでとうございます。みなさん健やかに新年を迎えられたことと思います。とはいえ、インフルエンザが流行っていますので大丈夫でしたか。1年生は終業式の前日、学年閉鎖になってしまいました。新年は無病息災で行きたいですね。

■無病息災といえば、昨日1月7日は「七草の日」。「せりなづなごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろこれぞ七草」。この春の七草を入れた御粥を食べ、無病息災を願うという日ですね。七草粥食べましたか。私は昨日、松山女子高校のみなさんの無病息災を願って、いただきました。みなさん、新年も健康に留意してよい年になるよう勉学に部活動に励んでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

■さて、年の始め、また今年度の締めくくりである3学期のスタートに当たり、私から2点、話をします。

■1点目は、脳科学の話です。今、世の中ではSTEAM教育が必要だと言われています。Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics、それぞれの頭文字をとってSTEAM。つまり、理数・デジタル+芸術の分野の人材が欲しいということです。私はこてこての文系ですが、これからの世の中は、文系一辺倒では通用しません。Scienceに大いに興味を持ってください。

■そういった意味で脳科学の話です。といっても難しい話ではありません。効果的な勉強法の参考程度に聞いてください。東京大学大学院薬学系研究科の池谷裕二教授の講演を以前聞いたことがあって、その内容をみなさんに少し紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

■みなさんは、「やる気スイッチ」は知っていますか。かつて、どこぞの塾のCMで使っていたワードです。「やる気スイッチ」ってなかなか入らないんですよね。体のどこかにそんなスイッチがあったらなあと思います。

■脳科学は、その「やる気スイッチ」突き止めました。具体例として、勉強する場合で考えてみますね。本格的な勉強をしようとするとき、案の定「やる気スイッチ」が入りません。そんなとき、まず簡単な作業をするのです。あまり頭を使わなくてもいいような作業。例えば、漢字を10個書くとか。そうすると、徐々にスイッチが入っていくということです。脳科学では、それを「作業興奮」というそうです。脳のウォーミングアップのようなものなのでしょうか。脳科学的には、それが「やる気スイッチ」の正体となります。

■次は、勉強部屋に「必勝」とか「〇〇大学合格」とか貼っておくことで実際に成績が上がるのかという話。違う言い方をしますと、「がんばれー」「がんばれー」という「応援」に実際意味があるのかということです。脳科学的には、これ効果があるようなんです。

■脳科学の研究者が次のような実験をしたそうです。被験者にコンピュータゲームを応援ありと応援なしで行ってもらうと、応援ありの方がよい結果が得られたということです。

■だとすると、年の始めに「書き初め」で1年の抱負を書いたりしますが、それも脳科学的には効果があるということになりますね、

■脳科学の話のラスト。同じテスト問題の表紙の色を、赤、青、黄など、色を変えてたくさんの被験者にやってもらったところ、一つだけ平均点が低かった色があったそうです。何色でしょうか。答えは赤です。集中力が下がるのでしょうか。はっきりとした理由は定かではありませんが、赤色とパフォーマンスには相関関係があるということです。だとすると、大学入試過去問題集の「赤本」は「赤本」でよいのでしょうか。

■また、みなさんの勉強部屋のカーテンや壁紙の色は何色ですか。ピンクとかではありませんか。大丈夫ですか。

■因みに、パフォーマンスが上がる色はあるのか?そういう色は特にないようです。

■以上、脳科学の話でした。興味をもった人は、脳科学の本、読んでみてはいかがでしょうか。脳科学の手法を取り入れた効果的な勉強法が見つかるかもしれません。

 

■さて、2点目は、年末の終業式での校長講話について、少し補足やら確認やら。

■2学期の終業式では人生を豊かに生きていく上で重要なことの一つである「経験・経験値」という話をしました。1年生は欠席者も多かったので聞いてない人もいますね。HPに掲載してありますので、是非見てみてください。

■内容をざっくりとおさらいしますね。繰り返しになりますが、人生を豊かに生きていく上で「経験」というものはとても大事である。高校生は高校生なりの経験が必要なのだが、近年は親が先回りしてなんでもやってしまうので、年相応の経験が足りない者も少なくない。

■さまざまな経験が必要なのだが、ほめられること、叱られることについては少しコメントを加えた。ほめられることは重要だが、親にほめられるのが必要なのは小学生まで。高校生ともなれば、社会からほめられることが大事。その心は、「自己有用感」。叱られる経験も重要。さらにいうと、叱られたときどのように自らを律することができるかという経験。叱ってくれる人の存在は大事。叱ってくれる人というのは、あなたたちを大切に思っている人。お父さん、お母さん、先生を尊いと思ってほしい。

■失敗の経験も大事。難しいことに挑戦したから失敗がある。挑戦しない人には、失敗もない。

■ざっとこんな話をしたんだと思います。

■ここで、この話の確認を一つ。ここからが本日の本題です。人生を豊かに生きていく上で経験が大事と言いましたが、その舞台となるところはどこですか?そうです。みなさんが近々デビューする社会です。みなさんが、「社会」で「凛として輝く」ために、経験が必要だということです。

■生徒・保護者、教職員が実現に向けて一丸となるべき、第一目標である本校の「目指す学校像」は、「社会で活躍する「凛として輝く」女性を育て、地域の期待に応える進学校」です。ここに松山女子高校の存在している意義があるのです。

■つまり、社会で凛として輝くために、みなさんはこの松山女子高校でたくさんの経験を積んでいるのです。そのことを自覚して、日々を大切にしてください。

 

■次に、補足を一つ。社会で凛として輝くために、松女生のうちに身に付けておくべきスキルを紹介しましょう。

■社会に出ますと、自分の好き嫌いに関係なく、多様な他者(様々な特徴を持つ人たち)と仕事をすることになります。そのような多様な他者とうまく関係を築きながらやっていく上で経験が重要なのですが、そこで大事な2つのスキルがあります。

■1つ目は、分からないときに、人に「教えて」と頼む「人に力を借りるスキル」。

■2つ目は、困っている人を放っておかずに声をかける「人に力を貸すスキル」。

 

 

 

 

 

 

 

 

■高校時代も少なからず同じですが、社会に出たら仲間と協力して一つの仕事を成し遂げなければならない場面が、より一層出てきます。いろんな性格のいろんな人がいて、そういう人たちと協力しながら、上手くやりながら仕事をしていくのです。このとき必要なのが、この2つのスキルなのです。

■社会に出て急にできるようにはならないので、今のうちに身に付けておいてください。日々の授業や部活動で訓練する場面はたくさんあります。是非ともみなさんでこのスキルアップに挑戦してください。そうすれば、大事なスキルが身に付くほかに、3学期が終わるとき、更には高校3年間が終わり卒業するとき、母校は更に愛しいものにもなっているはずです。

 

■以上、大きく2点。1点目は、脳科学の話。2点目は、2学期終業式で話した「経験」の話の補足として、「人の力を借りるスキル」と「人に力を貸すスキル」について話をしました。

 

■今年は松山女子高校にとって大切な創立百周年です。単にお祝い事をするだけではありません。松山女子高校が伝統を受け継ぎ、生徒一人一人が生き生きとして、そして楽しく、日々成長している姿を地域や社会に示していくことが、現役生のみなさんの使命だと思います。是非ともよろしくお願いします。

■また、今年度を締めくくる3学期です。それぞれが悔いのない3学期にしてください。

■以上で3学期始業式の校長の話を終わります。