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2017年10月の記事一覧

松女演劇「日の丸水産~ヒミコ、日野家を語る~」

 66回比企地区 「秋季高校演劇発表会」 

 「日の丸水産~ヒミコ、日野家を語る~」

 930()大東文化大学東松山キャンパスで60周年記念講堂にて、「秋季高校演劇発表会」 が開催されました。出場した高校は、県立小川高校、県立滑川総合高校、農大三高、県立松山女子高校の四校。春の時点では参加していた松山高校が参加できなかったのはさみしい限りですが、制作委員会の委員長の言葉にある通り、人数は減ってしまったものの、比企地区の演劇部の勢いは衰えることなく、元気いっぱいとのことです。

 演劇を通して社会や人間の様々な面にスポットを当てて、時には演じる高校生に厳しい現実に向き合わせ、考えさせる素材を提供する高校演劇ならではの魅力をこれからも高校生のパワーで発信続けてほしいと思います。

 さて、今回松女演劇部は、「日の丸水産~ヒミコ、日野家を語る~」の公演でした。パンフレットには、「皆、海の水になって、ざっばんざっぱんきてるんです皆様、津波の恐ろしさ、忘れてませんか。過去のことだと思っていませんか。二人の姉妹と一人の少女が皆様に伝える物語。忘れてはいけないこと、考えなければいけないこと。劇を見れば皆様にも伝わるはず」との紹介文が掲載されていました。

 部員たちは、この公演にあたって夏休みに福島県いわき市に出かけました。そこで東日本大震災の被災状況を目の当たりにし、その時に感じたいろいろな思いをこの演劇を通して観客の方々に伝えたかったそうです

 私は、演劇の専門家ではありません。ただ、一観客として今回の演劇を見て強く感じたのは、三陸津波や大震災についてはもちろんですが、身分格差や貧しさなど暮らしの過酷さが残る時代こうした日本社会の闇の部分。網元に養われる姉妹の絆と逃れようのない現実。そして、こうした現実の中で、祭りでの舞いを一生懸命練習するせつなさにありました。

 今の時代、忘れてはいけないこと、考えなければいけないことはたくさんある。日本全国で地震や台風、豪雨などによる被災が後を絶たない。こうした社会の現実の中で、私たちは何をし、何ができるのか、そして、何を大切に生きていかなければならないのか。まさに、人としての在り様を根源的に考えさせられたひと時でした。

 演劇部の皆さん、お疲れ様でした。これからも、君たちの豊かな感性のもと見る人たちに高校生ならではのメッセージを伝えてください。

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